風化する天安門事件
昨日の記事で「天安門事件」のことを書きましたら、多くの方からメールなどでご感想をいただきました。ありがとうございました。
確かに日本の教科書に載っているほどの大事件であったわけで、この事件を身近で体験した者としてこれからも語り継いで行きたいと思います。
で、今日、会社で中国人のスタッフに「天安門事件」のことを聞いてみました。
・・・と言うか、「今日は何の日か知ってる?」と言う問いかけをしてみたのですが、ウチの若いスタッフ、「6月4日」ではまったくわからないのです。
彼は当時まだ12歳の子供だった・・・と言うこともあるし、広東省では北京で起こっていたことは報道規制で完全にシャットアウトされていたのかもしれませんが、若い中国人にとってこの事件の存在そのものがすっかり風化しているようです。
確かにこの15年間は、実質15年間以上の変化があったと思いますし、昔の話をしても信じてもらえないほどすっかり近代国家に脱皮をした中国ですが、この事件をきっかけにしてこの国が大きく動き出したと思っていますし、もし、この事件が起こっていなかったら、今の中国の姿になっていたかどうか・・・と言う仮説も興味のあるところです。
しかし、NHKのワールド放送で「ニュース10」を見ていたら、天安門事件から15周年と言うニュースが流れだしたのですが、当局の規制に引っかかったようで、いきなり画像・音声ともに止められてしまいました。こういうことからしても、中国と言う国にとっては、まだまだ癒えていない「傷」なのでしょうね。
この事件の起こる直前、1989年5月19日、天安門広場で座り込む学生たちに直接対話をして、その結果鄧小平の怒りを買って総書記の座を追われた趙紫陽は今年すでに84歳。つい先日、肺炎をこじらせて入院したと言うニュースが流れていましたが、この5月19日の天安門広場以来、公の席に一度も姿を現すことなく15年が経ってしまったわけで、彼の名誉回復は今後もなされることはないのか・・・と言うことは気になります。
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